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update:2020.11.05

エンブレムに見るブランディング

日産のエンブレムが一新されたり、BMWのエンブレムも新しくなりましたね。

それにしても街中で見る日本のクルマのエンブレム。

ほんとみんな似通ってませんか?

 

メッキの質感にアルファベットの1文字。

 

ボディカラーに左右されないとか、色々と利点ももちろんあるとは思いますが

個人的な好みでいえばあまり好きではありません。チーン

 

一方、ヨーロッパのクルマを見ると実に多彩なラインナップです。

ボルボなら矢印、アルファロメオは紋章、プジョーはライオン、フェラーリーは跳ね馬ですね。

これらはみんなマークの分類でいうところの「シンボルマーク」となります。

 

では、日本のクルマに多い「ロゴマーク」となると、どんなメーカーがあるのでしょうか?

ヨーロッパ車だとすぐにおもいつくのが、フォルクスワーゲンとかロールス・ロイスとかでしょうか。

日本のメーカーだと、トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、レクサス。

多いですね、ロゴマーク。

 

よく混同しがちですが、「シンボルマーク」と「ロゴマーク」。

デザインの現場でも意外と曖昧に登場してたりするんです。

 

整理すると、「シンボルマーク」は図や絵を用いて表現するもの。

企業の理念などを図形化したものです。

僕の好きな「NTT」のダイナミックループとか、オリンピックのマークなんか

みんなシンボルマークですね。

 

一方、「ロゴマーク」は名称などの一部を用いて図形化したものとなります。

「マクドナルド」の“M”や「TSUTAYA」の“T”などがそうです。

 

話しをクルマのエンブレムに戻すと、自働車メーカーのシンボルマークには

あたりまえですが、それぞれにしっかりとした意味があります。

 

有名なところだと、メルセデスのスリーポインテッドスターは陸海空の頂点を

目指す意味があったり、アルファロメオはミラノのビスコンティ家の紋章で

よく見ると蛇がビスコンティ家の宿敵セラセン人を食べているような(食べているというより

輪廻転生を表しているようですが)歴史の重みを感じるエンブレムだったりします。

ブランドが培ってきた背景もあり、マークひとつとっても興味深いです。

さらに、クルマのマークにまつわるこんな逸話もあります。

僕が愛してやまないイギリスの自働車メーカー[ロータス]。

イエローに蓮の葉や花をイメージした三角形、その中にアルファベット(A・C・B・C)を組み合わせて

タイポグラフィ的なマークが作られています。

 

これは、創業者のアンソニー・コーリン・ブルース・チャップマンの頭文字で図形化されています。

鮮やかなイエローが特徴のエンブレムです。

 

しかし、ある時期、突然ロータスで市販されているクルマのマークがイエローからブラックへと変わりました。

 

これは、1968年4月にレース中の事故で亡くなった、F1ドライバーのジム・クラークに哀悼の意を表してのことです。

 

なかなか日本人には真似の出来ない紳士的な行いですよね。

どうです?この話し聞いただけでもロータス好きになるでしょ?

 

ブランドのイメージはもちろん大切だけれど、ブランドの姿勢こそが

価値を作っていくといういい見本のような話しです。

 

それにしてもこの歳になってもまだまだ乗りたいクルマが沢山ありすぎて

我ながら引きますね。

 

やっぱり宝くじでしょうか。

では、ごきげんよう!

 

IMAGINE -BRANDING AND DESIGN-
イマジンブランディングアンドデザイン−
CREATIVE DIRECTOR  霜方 和弘

© IMAGINE -BRANDING AND DESIGN-

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